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孤食とは

孤食というのは文字通り一人で食べるという意味ですが、主に小・中学生が一人で朝食をとることを問題視して使われる言葉で、個食とも書きます。
食事は空腹を満たし、生きる上で必要な栄養素を摂取するだけが目的ではありません。人類は大昔から家族単位で暮らし、いっしょに食事を楽しんできました。家族のコミュニケーションを深め、運命共同体的な絆を築くために食の役割は大きかったはずです。
しかし社会の変化とともに、家族がいっしょにそろって食事をするという当たり前の習慣が壊れつつあります。

厚生労働省の統計によれば、昭和57年にはすでに22.7%の子供が朝食を一人で食べています。そしてその割合は、10年後の平成5年になると31.4%にまで上昇しています。
ちなみにこのときの「両親といっしょに食べる子供」の割合は27.4%で、何と孤食のほうが多いのです。その後の統計はありませんが、今はさらに孤食が増えていることが予想されます。

孤食の拡大

孤食の拡大は家族形態の変化と無関係ではありません。3世帯家族が普通だった昔は、子供の孤食などは考えられませんでした。その後、徐々に核家族化が進みましたが、それでもまだ兄弟姉妹が2~3人いる家が多かったのです。
核家族の一人っ子家庭が増え、さらに女性の雇用が増大して母親が仕事に出るようになりますと、孤食は急激に増えます。やむを得ず子供をひとりで食べさせている家でも、家族いっしょに食べる喜びをできるだけ多く作ってあげたいものです。

最近、核家族化からもう一歩進んで、単身世帯の増加という現象が起きています。昭和45年には全世帯の2割に過ぎなかった単身世帯は、平成12年には3分の1の世帯が単身になっています。
20代の単身世帯が多いのは当然ですが、晩婚化の影響で30代の単身世帯も増加しています。さらに高齢者の単身世帯も多くなり、当然ながら一人で食事をしているわけです。
子供だけでなく「おとなの孤食」も心の面では見過ごせない問題です。またおとなの孤食は外食やインスタント食品が多くなりやすく、栄養面でも心配です。